「人を活かす会社調査」2016年調査より【1】新入社員が辞めない!在籍率ランキング

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「人を活かす会社調査」2016年調査より【1】新入社員が辞めない!在籍率ランキング

 政府による働き方改革の旗振りもあって、企業は社員の働きやすさ向上について具体的な取り組みを実施するようになりました。就職活動をする学生にとって、以前から関心の高い項目の1つに、会社の「離職率」があります。離職率が高い企業は働く環境が悪いことが多く、学生が離職率の高い企業を避けるのは当然のことといえるでしょう。
 企業の人事・労務制度の充実度を測る「人を活かす会社」調査(2016年実施)※では、対象企業に入社3年目までの社員の「在籍率」を聞きました。在籍率の高い会社=離職率の低い会社と考えられるでしょう。

新卒は「3年で3割が辞める」

 ここでいう在籍率とは、新卒で入社した社員が3年後に何%が残っているかを表しています。「人を活かす会社」調査の回答企業462社の在籍率の平均は89.1%(離職率10.9%)でした。一般的に、入社3年目までの平均在籍率は70%(離職率30%)で、「3年間で3割が辞める」といわれていますので、この数値は高いといえます。

 在籍率100%の企業は、ブラザー工業、兼松、相模鉄道、NTT都市開発、ニチレイフーズの5社でした。若手定着に力を入れている会社といえるでしょう。この5社のうち、「人を活かす会社」総合ランキングの上位200社に入っている電気機器メーカーのブラザー工業(総合ランキング84位)は、他の調査項目でも高い数値を出しており、若手定着以外にも働き手を活用することに意欲的といえます。100%にはおよばないものの、98.67%と高い在籍率を示した化学メーカーの信越化学工業(同36位)や、東京ガス(同132位)も同様に考えてよいでしょう。

業界別の離職率はだいたい決まっている

 厚生労働省「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」では、2013年3月卒の入社3年後離職率は全体平均31.9%でした。同調査では業界別の離職率も発表しています。離職率が低い業界は、電気・ガス・熱供給・水道業(8.5%)、鉱業、採石業、砂利採取業(12.4%)など。一方、離職率が高い業界は、宿泊業、飲食サービス業(50.5%)、生活関連サービス業、娯楽業(47.9%)、教育、学習支援業(47.3%)となりました。また、「ブラック企業」のイメージを持たれやすい情報通信業は24.5%と、全体平均を下回っています。

 このように、離職率は業界によって大きく異なります。また、調査年によって多少の上下はあるものの、年ごとの大きな変化は見られません。つまり離職率は、業界によってだいたい決まっていて、業界構造や業界の抱える課題と関係があるといえそうです。一般的に離職率が高いのは、消費者を主な顧客とする(BtoC)業界、機械化が進めにくい対人サービスの比率が高い業界という傾向があります。

 自分が志望する会社の離職率が分かったら、まず全体平均の31.9%と比べてどうか、所属する業界の平均ではどうか、を考えてみてください。志望する会社の離職率が極端に高い場合は、大学のキャリアセンターなど会社の情報を持っているところへ相談して、どんな事情があるのか確認するといいでしょう。

※「人を活かす会社」調査 調査概要
 日本経済新聞社、日経リサーチ、日経HRと共同で企画。企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分し、ランキングを作成した。前身の調査「働きやすい会社アンケート」を含めると14回目。上場かつ連結従業員数1000人以上の企業とそれらに準じる有力企業の計1260社を対象に、6月から7月にかけてアンケート調査を実施、462社から有効回答を得た。ビジネスパーソン調査はインターネットを通じて約1万2000人を対象に、7月20日~25日にかけて実施した。企業向け設問と対応した計71の設問について重視度をたずね、1043人から回答を得た。

◎ランキングについて詳しくは、「日経キャリアマガジン特別編集 日本の優良企業パーフェクトブック2018年度版」をご覧ください。
https://www.nikkeihr.co.jp/mook/204.html

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