「人を活かす会社調査」2016年調査より【2】1人当たり研修費ランキング

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「人を活かす会社調査」2016年調査より【2】1人当たり研修費ランキング

 AI(人工知能)、ビッグデータ、IoT(インターネット・オブ・シングス)・・・技術の進化はビジネスの変化と密着しています。世の中の新しい動きについていくためには、絶え間ない情報のキャッチアップとスキルアップが必要です。スキルアップの機会があることは社員の成長欲求に応えることにもつながります。企業の人事・労務制度の充実度を測る「人を活かす会社」調査※では、対象企業に年間研修費の額を聞き、1人当たりの研修費を算出しました。人材をしっかり育てようという企業のポリシーが、研修費の高さに反映されているといえます。就職活動をする学生にとっては、社員に対して教育意欲の高い企業が分かります。

トップ10にグローバル企業がそろう

 「人を活かす会社」調査の回答企業462社の2015年度の1人当たりの研修費の平均は7万4163円(年間)でした(有効回答企業361社)。産労総合研究所の「2016年度(第40回)教育研修費用の実態調査」では平均3万5662円でしたので、この数値はかなり高めといえます。

 トップ10入りした企業を見ると、業種は機械、食品、総合商社、コンビニなどさまざまですが、いずれも海外進出企業です。厳しいグローバル競争に備えて、人材育成に力を入れているようです。

 1位は前年に続き工作機械メーカーのDMG森精機(総合ランキング109位)で、52万3255円でした。DMG森精機は2017年7月からIoTの専門人材を育成する「先端技術研究センター」を設置し、初年度は1人当たり年間500万円規模の研究費をあてる、との報道がありました。9位に入ったピジョン(同163位)は哺乳瓶の国内最大手で、中国市場でも25%程度のシェアを持っています。若手社員向けにビジネススキル研修を実施するほか、グローバル人材育成のため、海外グループ企業へ派遣するインターンシップ制度など、さまざまな制度が整っています。

「ダイバーシティ推進」へ意欲高まる

 1人当たりの研修費の2016年度見込みは7万7363円(有効回答企業349社)で、2015年度実績と比較すると5.16%(有効回答企業349社で比較。16年度見込み7万7363円÷15年度実績7万3564円で計算)の伸びとなりました。また、「2015年度と比較して今後研修費用を増額する研修」(複数回答)としては、「ダイバーシティ推進」が多く挙がっています。働き方改革を進めるにあたって、改めてさまざまな立場の人間を尊重するダイバーシティ(多様性)重視の姿勢が進んだといえるでしょう。

 経営環境が厳しいと社員教育にコストをかけられない場合もありますが、ランキングに入っている企業はしっかり社員へ投資している企業だと考えられます。就職活動においては、新入社員研修といった基礎的なプログラムのほかにどのような研修制度があるか、内容や対象者をチェックしておくとよいでしょう。専門技術を磨いたり、マネジメントスキルを学べたりする機会があれば、自身のキャリアプランも立てやすくなります。

※「人を活かす会社」調査 調査概要
 日本経済新聞社、日経リサーチ、日経HRと共同で企画。企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分し、ランキングを作成した。前身の調査「働きやすい会社アンケート」を含めると14回目。上場かつ連結従業員数1000人以上の企業とそれらに準じる有力企業の計1260社を対象に、6月から7月にかけてアンケート調査を実施、462社から有効回答を得た。ビジネスパーソン調査はインターネットを通じて約1万2000人を対象に、7月20日~25日にかけて実施した。企業向け設問と対応した計71の設問について重視度をたずね、1043人から回答を得た。

◎ランキングについて詳しくは、「日経キャリアマガジン特別編集 日本の優良企業パーフェクトブック2018年度版」をご覧ください。
https://www.nikkeihr.co.jp/mook/204.html

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