「怒り」のコントロールでキャリアアップ!【3】怒る・怒らないの境界線を明確にしよう

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「怒り」のコントロールでキャリアアップ!【3】怒る・怒らないの境界線を明確にしよう
戸田久実さん(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 理事)

 ちょっとしたことで一喜一憂しがちな日常生活。自らの怒り、イライラに対処する術「アンガーマネジメント」の基本を学べば、後悔しない日々を過ごせるはずです。また、仕事でイライラしたことが起こってもうまく対処できれば、スムーズに進めることができ、キャリアアップにもつながるでしょう。
 この分野の専門家である戸田久実さん(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 理事)にアンガーマネジメントのイロハについて、分かりやすく解説していただきます。
 第3回は、自分の願望や理想、価値観である「○○するべき」の部分を洗い出して、怒りの境界線を明確にすることについてです。
(文/戸田 久実 ※プロフィールは文末)

「~するべき」は人によってそれぞれ異なる

 怒りに関する相談を受けると、
「私がイライラするのは あの人のせいだ!」
「この状況(組織)のせい!」
と言う人が多くいます。つまり、自分を怒らせたのを相手や状況、出来事のせいだと言います。

 しかし、それらのせいではなく、怒りは自分自身が生み出した感情です。どういうことかというと、「~するべき」「~であるべき」という言葉で表される自分の願望、理想、ゆずれない価値観などが、その通りにならなかったときに怒りが生まれるのです。

 「順番は守るべき」「歩きスマホはやめるべき」「集合時間は守るべき」「使わない部屋の電気は消すべき」など……。職場や家庭、公共の場において、様々な場面や状況での「べき」があると思います。

 しかし、「べき」は人それぞれ違います。特に、世代や育った環境が違うと異なることも多く、それゆえに自分にとっては頭にくることでも、相手にとってはそうではないということはよくあります。

相手と共通認識を持てる具体的な表現が重要

 「べき」が裏切られたとき、「普通は~するよね」「これって当たり前だよね」と怒る人がいますが、自分にとっての当たり前と、相手にとっての当たり前は同じとは限りません。

 「べき」に正解・不正解はありませんので、自分が信じている「べき」は自分にとっては真実です。しかし、全ての人にとってはそうではないということを知っておいてほしいのです。

 また、同じような「べき」を持っていたとしても、「どの程度」望み、信じているかが違います。たとえば、「メールはすぐに返信するべき」という場合、午前中に送信したメールは「その日の17時までには返信するべき」「24時間以内に返信するべき」「2日以内であればOK」など、望む程度は様々です。

 特に「ちゃんと報告をするべき」「しっかりと段取りするべき」「感じのよい挨拶をするべき」「相手の立場にたって行動するべき」……など、曖昧な表現で表される「べき」は、人によって受けとり方が違います。

 だからこそ、どのような「べき」を持っていて、「どの程度」望んでいるのか、それは周囲の人と同じ程度か、これをお互いに明確に伝え合うようにすればズレがなくなってきます。「なるほど! そういうことね」と相手が理解できるよう、共通認識になるような具体的な表現をすることが重要なのです。

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