コラム「基礎ができていてこそ抜きんでる」―落語をヒントにコミュニケーションのコツをつかむ―【11】

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コラム「基礎ができていてこそ抜きんでる」―落語をヒントにコミュニケーションのコツをつかむ―【11】

 近年、落語の人気が急上昇。この落語ブームにあやかって、落語に見るコミュニケーション術を、本コラムではお話ししていきます。
(文/山田敏弘〔岐阜大学教育学部シニア教授、専門:日本語学・方言学〕)

学生落語で熱気あふれる落語の祖の生誕地

 岐阜市では毎年、2月になると「学生落語選手権」が開かれます。岐阜市は一説に、落語の祖と呼ばれる安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)生誕の地と言われ、それにあやかって始まった全日本学生落語選手権「策伝大賞」も、2017年の第14回大会には全国から42大学、実に224人もの学生が参加。今や熱気あふれる冬の一大イベントとなっています。

 チケットを入手するのも困難で、なかなか当たりません。私も聴きに行くことができたのは1回だけです。殿様が目黒で食べたさんまがおいしく、「さんまは目黒に限る」と言ったという「目黒のさんま」や、知ったかぶりをする男に長崎名産と言って腐った豆腐を食べさせようとする「ちりとてちん」(江戸落語の「酢豆腐」)など、古典落語もうまく演じていました。

 実際に、これらの演目は名前や内容を知ってはいても、なかなか真打ちさんの独演会などでは聴けないもの。反対に、広く演じられていて演者の個性が感じられます。まさに落語の基礎科目といったところ。名だたる名人も、ここから始めたに違いありません。

 ビジネスでも、ずば抜けたことをやるためには基礎・基本ができていてこそ。例えば製造現場を熟知している営業担当ならば、顧客の問いにも的確に、すぐ答えられるでしょう。反面、細かな仕事を人任せにしている経営者は末端の苦労もわかりません。落語もビジネスも基礎・基本こそ、大事ではないでしょうか。

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