大学で勉強しない学生は、就職できなくなる!? ~企業は就活生の履修履歴を採用に活用する時代に~

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大学で勉強しない学生は、就職できなくなる!? ~企業は就活生の履修履歴を採用に活用する時代に~

 「新卒の面接でサークルやアルバイトのことだったら、いくらでも答えられるけど、学業やゼミについて聞かれるとちょっとツライです……」。こんな学生はこれからの就職活動で、苦戦するかもしれません!

 2017年7月、新卒の就職情報を就活生に提供している約20社が「履修履歴活用コンソーシアム」を発足。コンソーシアム加盟企業は顧客企業に対して、登録する就活生を大学の履修履歴などで検索して、オファーメールを送れるサービスを開始します。

 これはつまり、「大学で何を学んできたか」がより重要になってくるということ。今後の新卒採用の仕組み、学生の学業への取り組み姿勢などはどう変わっていくのでしょうか。コンソーシアムの事務局を務める採用コンサルティング企業、パフの釘崎清秀社長に話を聞きました。

 サービス開始は18年4月予定。19年入社を目指す学生やそれ以降に就活をする1、2年生は、大学での学び方の参考にしてください。
※履修履歴活用コンソーシアム http://risyu-katsu.jp/

「AIの知識を持った学生」「プログラミング・スキルを持った文系学生」などで検索

――企業が学生の履修履歴を検索するサービスについて教えてください。

 履修履歴活用コンソーシアムに加盟している企業は現在(17年5月末)、マイナビなど22社。加盟各社が顧客企業に対して、登録学生の「履修科目」「GPA(グレード・ポイント・アベレージ、科目の成績評価値)」「大学」「学部・学科」「文系・理系」などの条件で検索できるサービスを提供します。

 検索結果で個人名は分かりませんが、自社の業務に合いそうな学生がいたら、企業から学生に「弊社の企業説明会に来ませんか?」といったオファーメールを送れる仕組みです。例えば、「AI(人工知能)の知識を持った学生」「プログラミングなどITスキルを持った文系学生」「機械工学科でデータサイエンス系の科目を学んだ学生」といった条件で、学生を探すことができるようになります。

 企業からメールをもらった学生は、「企業は自分のこの学業への取り組みを認めてくれたんだ」と感じて、その企業に対して興味・関心を持ったり、応募したりするという流れが期待できます。

――履修科目のデータベースはどのように?

 データベースの構築に関しては、辻太一朗氏が代表理事を務めるNPO法人DSS(大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会)と、DSSの関連組織である大学成績センターの協力を得ます。同センターには約10万人(17年4月時点)の履修履歴データベースがあり、相互リンクさせていく計画です。

「大学で何を学んできたか」がより重要に

――コンソーシアムを発足させた目的は?

 大きく2つあります。1つは、学生の本分である学業をもっと採用選考で重視してほしいということです。ある調査で、学生に「選考で学業について聞かれたことがあるか?」と聞いたところ、40%の学生は「聞かれたことがない」と回答し、残りの60%の学生も受けた企業の中の数社から聞かれたというレベルでした。文系・理系で多少の差はあるものの、全体で考えるとほんの数%の企業しか学業について聞いていないことになります。

 エントリーシート(ES)や面接で「学生時代に力を入れたこと」を聞いて、アルバイトや部活・サークル、ボランティアなどの話から学生の資質を見極めることは間違っていません。しかし、学生が学んできた学業の内容についてもう少し重視してもいいのではないかという思いがあります。

――目的のもう1つは?

 企業の採用選考が、大学や社会からやり玉に上がっていることを解消したいためです。「学生が勉強しないのは、企業の採用選考のせいだ」「採用時期の関係で学生は授業に行けず、勉強にも身が入らない」「ESはたくさんの質問があり、書くのに時間がかかりすぎる」――などと言われています。

 私は企業の採用選考が、学生の勉強を阻害している直接的な原因だとは考えていません。しかし、学生にとってはESを書くことに時間が取られる、負荷になっていることは事実です。

 企業はESで多くの項目を書かせるのではなく、学生の本質を見るためには、学生が1年生からどんな科目を学んできて、どのような知識・スキルを得てきたかといった履修履歴に注目することが大事なのでないでしょうか。そのことが学業阻害という批判を受けずにすむことにつながると考えています。

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