留学生の就職活動【7】大学の就職支援 立教大学(1)

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留学生の就職活動【7】大学の就職支援 立教大学(1)
キャリアセンターで留学生を担当する4人。今回は市川課長(左から1人目)と林さん(同3人目)にお話をうかがいました

企業と学生の希望のミスマッチが起こっている

――外国人留学生の日本での就職状況はいかがですか?

 全体の7~8割の学生は就職希望です。しかし実際は、学部生では17年3月卒業生全体のうち53%しか就職できていません。就職したいけどできないという学生が2割程度います。

――就職が難しい要因をどのように考えていますか?

 1つは、外国人留学生の大手・有名企業志向が高いことが要因と考えられます。多くの外国人留学生が、日本で就職するなら誰もが社名を聞いたことがある大手・有名企業で働きたいと思っています。その傾向は日本人学生と同じですが、大手・有名企業は競争率も高く、内定を得るのがなかなか難しいのが現状です。

 もう1つは、日本の企業は外国人留学生を積極的に採るという意識がそれほど高くなく、まだまだ採用の実績が少ないということです。昨年4~12月にかけて、立教大学を訪問してくださった企業約100社に、「外国人留学生の採用実績」「外国人留学生専用の採用基準があるのか?」等についてヒアリングをしました。

 その結果、採用実績が「あり」の回答は多かったのですが、日本語による高いコミュニケーション能力を求めるなど、日本人と同等の採用基準で選考する企業が圧倒的に多いことが分かりました。外国人留学生だから特別に採用したいというのではなく、能力の高い人材として求められていると感じます。

 また、外国人留学生の採用に前向きな企業も一部ありますが、それはいわゆる日本と母国をつなぐ「ブリッジ人材」としての採用です。日本の文化を理解していて、日本語もできて日本人とコミュニケーションが取れる、母国に戻って働く人材です。一方、大学が育てているのはグローバルに活躍できる「高度人材」としての外国人留学生です。日本語や母国語、なかには英語もできる学生もいるので、グローバル人材として日本や母国以外の世界で働きたいと考えている学生が多いです。ここに企業と学生の希望のミスマッチが起こっているように思います。

入学直後に日本の就活の特殊性、日本語力の必要性などを伝える

――外国人留学生向けの就職支援として、どのようなことをされていますか?

 立教大学は学生生活を3つの期間に分けて(1年次春学期を「導入期」、1年次秋学期~2年次秋学期を「形成期」、3年次春学期~4年次秋学期を「完成期」)、キャリアセンターと入学センター、国際センター、日本語教育研究センター、学部・研究科が連携して、全学的に外国人留学生向けの就職支援を行っています。ここでは、キャリアセンターの支援プログラムを中心に説明します。

 最初に入学直後の外国人留学生向けオリエンテーションの中で、キャリアセンターの紹介や日本の就活の特殊性、日本語力の必要性について伝えます。日本語ができないと日本の企業には就職できないことを伝え、日本語によるコミュニケーション力を磨くために、日本語教育研究センターが開講している科目の紹介などをします。

 本学に入学してくる外国人留学生は、基本的には日本語能力試験「N1」程度は持っていますが、書く力と話す力は異なりますし、アカデミックな日本語と会話の日本語、ビジネスで使う日本語は異なるので、同センターが全学共通科目として開講している「日本の文化・社会」「ビジネス日本語」といった科目を取るように勧めています。

 また、日本の新卒一括採用は世界から見れば特殊です。「大学3年生の春から活動を始める」「100社ぐらいにエントリーする」といったことを伝えると外国人留学生らは一様に驚きます。しかし、最初にしっかり伝えることが大事で、1、2年生の頃から少しでも意識させることが必要だと考えています。

※「留学生の就職活動【8】大学の就職支援 立教大学(2)」(2017年8月上旬掲載予定)に続きます。

☆「留学生の就職活動」バックナンバー

【1】識者に聞く 留学生就職の実態と就活支援の提案(1)
【2】識者に聞く 留学生就職の実態と就活支援の提案(2)
【3】大学の就活支援 一橋大学(1)
【4】大学の就活支援 一橋大学(2)
【5】大学の就活支援 明治大学(1)
【6】大学の就活支援 明治大学(2)

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