学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【21】「『業績がいい企業=優良企業』とは言い切れない」

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学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【21】「『業績がいい企業=優良企業』とは言い切れない」

 学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方の第21回。今回は、ベテラン経営者に聞いた優良企業を見定めるポイントをご紹介しましょう。
(文/中小企業交流クラブ幹事・作家 三浦紀夫 ※プロフィルはページ下部)

業績がいい企業を探してもダメ

 「世間では、業績がいい企業を優良企業だとみなすことが多いようですが、それは間違いです」

 こう語るのは、老舗の外食チェーンの経営者です。

 「目先の業績なんてコロコロと変わるのですから、そんなものでは優良企業かどうかを判断することはできません」

 いわれてみるとその通りです。拝金主義のような風潮が、企業を見るときの私たちの目をも惑わしているのかもしれません。

なにを目指して経営している企業か

 では、彼が考える優良企業とはどんな企業のことでしょうか。

 「うちの会社の経営理念は『私達は海の幸の美味しさに真剣です』というものです。この理念を実現するべく経営をしています。優良企業というのは、このように何を目指すのかを明確にして経営する企業のことであって、儲けを追求する企業のことではありません」

 彼が言うように、世の中には業績のみを追いかける企業が少なくありません。過半数の企業がそうだといってもいいかもしれません。

 でも、長く繁栄を続けるような企業は、業績を追いかけるというよりも、企業の存在意義を追求しているようなところがあります。その結果として、業績もついてくるというわけです。

人を本気で育てようとしているか

 では、彼が考えるような優良企業を見分けるには、どうしたらいいでしょうか。

 「経営理念を実現しようと考えている企業は、いっしょに理念を実現できる人を育てようとします。人を育成するにはお金も時間もかかります。それでも、自前で人を採用し人を育てることに力を入れる企業は、優良企業だと思いますね」

 実際に彼の会社では、従業員と良好なコミュニケーションをとりながら育成を続けています。その結果、離職率が低いことでも有名です。

 志望企業が、採用した人の育成にどのように取り組んでいるかを、先輩や採用担当者に聞いてみましょう。どんな考えでどんな教育をしているのかを、できるだけ具体的に聞くのがコツです。熱意や愛情を持って人を育てているでしょうか。その返答に本気度が表れているようなら、優良企業だといっていいと思います。


[プロフィル]
三浦紀夫(みうら・のりお)
1952年2月、青森市生まれ。作家。明治大学政経学部卒。学生時代から編集制作会社の株式会社コアで仕事をし、卒業後同社に入社。1990年、同社代表取締役に就任。2002年、倒産。2003年、『倒産社長の告白』(草思社)を発表して著作活動を開始。他の著書に『倒産社長、復活列伝』(草思社)、『こうなったら会社はたたみなさい』(東洋経済新報社)等。2012年1月、『就活が変わる!優良中堅企業の見つけ方』(PHP研究所)を発表。新聞、雑誌の連載や講演でも活躍中。中小企業交流クラブ幹事。

【バックナンバー】

【1】はじめに……
【2】業界をよく知っている人に話を聞こう!
【3】中堅・中小企業の“安定性”を見定めるには
【4】就職情報サイトで志望企業を絞るには
【5】説明会では社長との相性を探ろう
【6】企業の成長性を見定めよう!
【7】応募した企業の社長が高齢だったら……
【8】第三者から表彰される企業を見つけよう
【9】志望企業は情報公開に積極的か
【10】中堅・中小の採用は、これからが本番
【11】中堅・中小企業が求める学生とは?
【12】内定が得られないまま年を越しそうなあなたへ
【13】中堅・中小企業には魅力がいっぱい
【14】スタッフや職場に好感が持てる会社を選べ
【15】入社3年後の離職率をどう考えるべきか

【16】ダメな経営者を見分ける方法
【17】経営革新計画を承認された企業に目をつけよう
【18】どんな経営ビジョンを描いているか
【19】B to B企業がねらい目だ
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