データで見る「日本のグローバル化」 訪日外国人4000万人とはいったい、どの程度の数字?

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データで見る「日本のグローバル化」 訪日外国人4000万人とはいったい、どの程度の数字?

 「グローバル社会」や「グローバル企業」などが世の中で叫ばれています。「グローバル」とは何なのか。官庁のデータから考えてみましょう。

話題に事欠かない外国人関連情報

 2013年に初めて1000万人を超えた訪日外国人。15年には1900万人を超え、過去最高を記録しました。政府は当初、20年の目標を2000万人としていましたが、4000万人に引き上げるほどのペースで増加しています。

 中国人の“爆買い”などに押し上げられた百貨店や家電量販店など小売りの売上高は、ここにきてやや鈍化しつつあるものの、都心のホテルを中心に客室稼働率は上昇。国内の主要空港のみならず地方空港の国際線の利用者数が伸び、海外からのクルーズ船の寄港が増えるなど、日本を訪れる外国人に関連する話題には事欠きません。

 新聞社はこぞって紙面で取り上げ、テレビ局も急激に増える傾向に呼応するかのように外国人や外国、そして外国に住む日本人などにスポットを当てた番組を制作しています。もう10年近く放送されているバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)を筆頭に、「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京系)など人気があります。

 新聞やテレビをはじめ、いろいろな視点で切り取られた外国人関連の情報が、これだけ目に飛び込んでくるようになると、にわかに周りが外国人だらけのように感じてきますが、そもそも私たちは日ごろ、どれだけ外国人と接する可能性があるのでしょうか。

日本で暮らす外国人は270万人、留学目的は25万人

 外国人が集まる場所として、感覚的にイメージしやすい観光地や繁華街ではなく、日ごろの生活で日本人がどれぐらい外国人に接する可能性があるのか、参考になりそうな数字に目を向けてみましょう。

 例えば、法務省の在留外国人統計によると、日本にいる外国人は約270万人(15年12月時点)。国籍・地域別ではアジアの約220万人を最多に、南米約24万人、アフリカ約16万人、北米約11万人、欧州約10万人、オセアニア約4万人となっています。

 男女別では男性約130万人、女性約140万人。在留資格(在留目的)は永住者が約70万人で一番多く、そのほか主だったものは特別永住者が約35万人、定住者が約16万人、日本人の配偶者などは約14万人です。さらに留学を目的にしている人が約25万人います。都道府県別では人口に比例するように、東京都が約46万人で最多。大阪府と愛知県が約21万人、神奈川県約18万人、埼玉県約14万人、千葉県約12万人と続きます。

 ちなみに自治体は約4万人の東京都新宿区を筆頭に、東京都江戸川区、埼玉県川口市、大阪市生野区、東京都足立区の順。それらの地域には製造業の工場などがあり、また多くの外国人労働者が暮らす愛知県豊田市や群馬県太田市なども比較的上位に位置します。

 一方、外務省の海外在留邦人数調査統計によると、海外で長期滞在する日本人は約85万人、永住者は約44万人(14年10月時点)で過去最多。長期滞在者と永住者の合計は約130万人となり、この5年間で約15万人増加となっています。

 長期滞在者の内訳は、男性が約45万人で、そのうち民間企業関係者(本人)が約23万人、同居家族と留学生・研究者・教師(本人)が約6万人。女性が約40万人で、そのうち民間企業関係者の同居家族が約13万人、留学生・研究者・教師(本人)が約9万人、その他(無職など)の本人が約6万人、民間企業関係者(本人)が約3万人。地域別はアジアが全体の約35万人で10年以上首位を維持し、北米約26万人、西欧約15万人と続きます。国別は米国約25万人、中国が約14万人で、この2カ国で全体の4割以上となります。

 永住者の内訳は男性が約17万人、女性が約27万人。地域別は北米約21万人、南米約7万人。国別が米国約17万人、ブラジル約5万人で、この2カ国で永住者の5割以上を占めています。

異国で生まれた人を「外国人」と呼ぶのはもう時代遅れ?

 このように公表されている数字をみると、大都市圏に在留する外国人は数多く、留学先に日本を選ぶ外国人も約25万人いるため、大学や大学院で友人や仲間のみならず、アルバイト先や今後のビジネスパートナーとして接する機会も相応にありそうです。でも、思いのほか身近に外国人がいない、周りにいてもコミュニケーションを取るほどの間柄にはないという感覚が一般的でしょう。

 東京オリンピックの開催を4年後に控え、異文化交流の機運が高まるなか、外国人は外国人で固まり、日本人は日本人で固まるというのでは、日本にいながらお互いの文化の違いを知るせっかくの機会を逃してしまうことにもなります。自分が勤める会社の社長が外国人というのはもう珍しくなく、少子化による労働人口の減少を鑑みれば、上司や先輩、同僚、部下が外国人になるという可能性は高くなりつつあります。外国人はもはや、文字通り海の向こうにある異国の人という存在ではないのです。

 近い将来を見据え、積極的に外国人と触れ合う機会をつくったり、交流できる場に足を運んだりしてみる。そうすると、世の中で叫ばれているグローバルとは何なのか。海外に出ることがグローバルと言えるのか。外国人と協同するうえで必要な要素は何か。自分なりの答えを導き出して行動を起こすきっかけにつながるのではないでしょうか。

 今回は外務省や法務省のデータを挙げましたが、ふだん何気なしに見ていた数字に少し気を配ると、いろいろな要素がつながって、日本や世界の動きがぐっと近くに感じられるかもしれません。

※海外の長期滞在者数および永住者数は外務省「海外在留邦人数調査統計」を参考
(長期滞在者:3カ月以上の海外在留者のうち、海外での生活は一時的なもので、いずれ日本に戻るつもりの日本人)
(永住者:当該在留国などから永住権を認められ、生活の本拠を日本から海外へ移した日本人)
※日本にいる外国人数は法務省「在留外国人統計」を参考

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