「人を活かす会社」調査より【3】 長く働ける!平均勤続年数ランキング

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「人を活かす会社」調査より【3】 長く働ける!平均勤続年数ランキング

従業員の入れ替わりが激しい会社では、高い専門性を持った社員が育ちにくく、また業務上重要な知識・ノウハウを社内で蓄積することが難しくなります。これは会社にとっては損失です。企業の人事・労務制度の充実度を測る「人を活かす会社」調査※では、対象企業に従業員の勤続年数の平均を聞きました。時間をかけて人を育て、経験を業務に生かすという企業の姿勢が、勤続年数の長さに反映されているといえます。就職活動をする学生にとっては、働き手が長く働くための環境が整っている会社が分かります。

事業の「長期・大規模」系の会社が上位にランクイン

「人を活かす会社」調査の回答企業454社の2014年度の全体平均勤続年数は16.1年でした。厚生労働省の「平成25年賃金構造基本統計調査(全国)」では11.9年なので、この数値は長めといえます。ただし、両調査とも設立10年に満たないような若い会社もあるので、一概に平均勤続年数が短いからといって悪いとは判断しないようにしてください。

 業界別に見ると、長い傾向にある業界は、鉱業・石油・石炭製品(20年)、金属・窯業(18.5年)、運輸・倉庫・電力・ガス(同)となりました。1つのプロジェクトが完結するまでに十年近くかかかるような、長期で大規模な事業の傾向が見受けられます。こういった会社では社員が得た経験・ノウハウを重視し、業務に生かしてもらうため長く働き続けるような環境が整っているのでしょう。

 一方、短い傾向にある業界は、サービス(11.6年)、情報・通信(14.8年)でした。これらの業界は、鉱業・石油・石炭製品などの業界に比べると、変化のスピードが早いといえます。そのため人材の新陳代謝のサイクルも速まる傾向にあるのかもしれません。

 ランキング上位は1位NTT東日本(総合ランキング27位)、2位NTTコムウェア(同87位)とNTTグループが並びました。上位10社には電力や通信などのインフラ系、メーカーなどがランクインしています。3位の東亜合成は瞬間接着剤「アロンアルファ」で有名な化学メーカー、4位の日本電気硝子は特殊ガラスに特化したメーカーで、売上の8割は海外が占めています。平均勤続年数が短い傾向にあるサービス業ながら、8位にランクインした阪急阪神百貨店(同85位)にも注目です。

就職活動では「一人前になるまでの期間」をチェック

 平均勤続年数の長さは、働き手にとって長く働き続けやすい会社であることを表します。事業の専門性が高く、会社が社員の知識・経験に価値を置き、社員が長く働き続けるための環境を整えていると推測できます。その一方で、年功序列の色合いが強くなり、若手社員にはなかなか仕事を任せてもらえず、他の会社に比べると社員の成長スピードが遅いという可能性も考えられます。

 就職活動においては、平均勤続年数の長い会社は「働く環境が整った会社」と認識すると同時に、若手に対する考え方もよく確認しておくべきです。「社内で一人前になるまでに何年ぐらいかかるのか」「若手の育成はどのように行われているのか」といった質問を人事担当者に質問してみてもいいでしょう。



※「人を活かす会社」調査 調査概要

日本経済新聞社、日経リサーチ、日経HRと共同で企画。企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分し、ランキングを作成した。前身の調査「働きやすい会社アンケート」を含めると13回目。上場かつ連結従業員数1000人以上の企業とそれらに準じる有力企業の計1654社を対象に、6月から7月にかけてアンケート調査を実施、454社から有効回答を得た。ビジネスパーソン調査はインターネットを通じて約1万1000人を対象に、7月22日~27日にかけて実施した。企業向け設問と対応した計66の設問について重視度をたずね、1223人から回答を得た。

詳しくは、「日経キャリアマガジン特別編集 日本の優良企業パーフェクトブック2017年度版」をご覧ください。
https://www.nikkeihr.co.jp/careerm/mook_2017_ranking/index.php

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