「人を活かす会社」調査より【8】 労働時間が短い!年間総実労働時間ランキング

Data

「人を活かす会社」調査より【8】 労働時間が短い!年間総実労働時間ランキング

志望する会社が残業の多い会社なのかどうかは、就職活動をする学生にとって関心が高い事柄でしょう。残業時間は、実際の労働時間(=総実動労時間)と契約で決まっている労働時間(=所定労働時間)との差です。企業の人事・労務制度の充実度を測る「人を活かす会社」調査※では、対象企業に年間総実動労時間を聞きました。ワークライフ・バランスを重視する学生にとっては、実際の労働時間の短い会社が分かります。

残業のある・なしを気にする前に、労働時間を確認しよう

 働く人の労働時間は、労働基準法によって1日8時間以内、1週40時間以内と決まっています(※※)。この範囲内において、会社が就業規則などで決めている労働時間のことを「所定労働時間」といい、具体的には休憩時間を除いた始業時刻から終業時刻までの時間が所定労働時間となります。1日の所定労働時間内でその日の仕事が終わると、いわゆる「定時退社」となるわけです。所定労働時間は「労働基準法の範囲内」で会社が決めることになっていますので、会社によって異なります。

 所定労働時間内にその日の仕事が終わらないときもあるでしょう。そのときは所定外労働、つまり残業をすることになります。実際の労働時間(=総実労働時間)から所定労働時間を引いた時間が、所定外労働(=残業時間)となります。会社のひと月の残業時間が大まかに知りたい場合は、「年間総実労働時間÷12(カ月)-ひと月分の所定労働時間=ひと月分の残業時間」で計算できます。

 ランキングを見ると、上位企業の年間総実労働時間は1600時間~1700時間でした。仮に1日の所定労働時間を7.5時間、月出勤20日で計算すると、年間の所定労働時間は7.5時間×20日×12カ月=1800時間ですから、上位の会社はほぼ残業がないか、残業があっても代わりに休みを取れる制度がうまく機能していると推察できます。なお、本調査(回答社数454)の平均は2002時間、比率では1800時間未満は4.4%、2200時間以上は9.3%でした。自分の志望する会社がどのレベルにあるか、会社資料などで確認しておくとよいでしょう。

残業を減らすには需要予測、リスクへの備えが重要

 「労働時間管理と効率的な働き方に関する調査」(企業調査)結果(労働政策研究・研修機構/平成27年7月)によると、年間総実動労時間について約5割の会社が「短縮していく」と回答しています。時間短縮のため多くの企業が目を付けているのが残業時間です。残業が発生する理由は(複数回答)、イメージしやすい「人員不足」は2位(50.9%)で、「業務の繁閑が激しい、突発的な業務が生じやすい」が1位(64.8%)でした。また、「納期やノルマが厳しい」は10%台でした。

 残業時間を減らすには、業務量の波をならし、標準化していくことが効果的といえるでしょう。これには、先を読み需要を予測する力や突発的なリスクに備える力が必要です。こういった取り組みを意識的にできる会社かどうかが、短い労働時間を実現する会社を見分けるポイントになるでしょう。

(※※)時間外労働協定[通称:36(サブロク)協定]を結んでいる場合はその限りではありません。労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。この労使協定を「時間外労働協定」といいます。なお、時間外労働時間には限度が設けられています。

※「人を活かす会社」調査 調査概要

日本経済新聞社、日経リサーチ、日経HRと共同で企画。企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分し、ランキングを作成した。前身の調査「働きやすい会社アンケート」を含めると13回目。上場かつ連結従業員数1000人以上の企業とそれらに準じる有力企業の計1654社を対象に、6月から7月にかけてアンケート調査を実施、454社から有効回答を得た。ビジネスパーソン調査はインターネットを通じて約1万1000人を対象に、7月22日~27日にかけて実施した。企業向け設問と対応した計66の設問について重視度をたずね、1223人から回答を得た。

詳しくは、「日経キャリアマガジン特別編集 日本の優良企業パーフェクトブック2017年度版」をご覧ください。
https://www.nikkeihr.co.jp/careerm/mook_2017_ranking/index.php

  • 1

あわせて読みたい