「人を活かす会社調査」2016年調査より【8】残業がない!年間法定外労働時間が短いランキング

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「人を活かす会社調査」2016年調査より【8】残業がない!年間法定外労働時間が短いランキング

 2016年以降、さまざまな会社で長時間労働による被害が明るみになり、新聞・テレビで報じられました。これから社会で働く皆さんにとっても、志望する会社の労働時間は関心の高い項目ともいえるでしょう。企業の人事・労務制度の充実度を測る「人を活かす会社」調査※では、対象企業に法定外労働時間(いわゆる残業時間)を調査しました。ここでは、年間の残業時間が少なかった会社の上位を見てみましょう。

効率化を進めて、労働時間を短縮

 働く人の労働時間は労働基準法によって1日8時間以内、週40時間以内と定められています(=法定労働時間)。会社はこの範囲内で労働時間を決めています(=所定労働時間)。大まかに1カ月の残業時間を知りたい場合は、「年間総実労働時間÷12(カ月)-1カ月分の所定労働時間」で算出することができます。

 法定外労働時間とは、前述の法定労働時間を超えて働いた時間、いわゆる「残業時間」のことです。「年間法定外労働時間が短いランキング」は、年間で残業時間が少なかった会社のランキングです。これで残業時間の多い・少ないが分かります。ただし、もともと会社で決めた労働時間が長いと、残業時間は少なくなります。残業時間だけではなく、トータルの労働時間で見ることも大切です。例えば、8位の昭和電工、9位の野村総合研究所は年間総実労働時間が2000時間を超えています。

 1位のサントリーホールディングスは、早帰り促進のための全社完全消灯ルールを徹底したり、業務の効率化に向け「働き方見直しハンドブック」を作成するなど残業時間を減らすための取り組みを行っています。

 トップ10入りした会社は、総合ランキング200位圏外が5社ありました。総合では高い順位に入らなくても、残業時間が少ない会社が多数あることが分かります。

 例えば6位のIDEC(アイデック)は、制御機器の専業メーカーです。操作スイッチ、表示パネルなどで高い評価を得ています。2017年3月にフランス・制御機器大手のアペム社を買収し、2020年4月から社内の公用語を英語にするとの発表がありました。多様な人材の活用のため、業務効率に向けた取り組みが進むであろうことと推測できます。

残業が発生するのは「非常事態」と考える

 厚生労働省の調査によると、法定外労働時間は127時間、年間実労働時間は2018時間でした(平成25年度労働時間等総合実態調査結果)。本調査では法定外労働時間213時間、年間実労働時間は2001時間でした。いわゆる残業時間と会社で決まっている労働時間の合計で比べると、厚労省調査2145時間、本調査2214時間となり、他の項目別ランキングとは異なり、全国平均よりも本調査のほうが悪い結果となりました。長時間労働の問題は、大手企業にとっても根深いものといえそうです。

 残業とは、本来、就業時間内に作業を終えるべきところを、予測できない事態などがあって就業時間後も仕事をしているという状態です。もし残業が1年間ずっと続くようならば、それは予測できない事態ではなく、生産や人手が間に合っていないため補充が必要ということになります。恒常的に残業が多い会社は、需要予測がうまくいっていない、人を補充していない、という会社です。いずれにしても、働き方を変えようとしていない会社は時代に取り残されてしまうでしょう。

 就職活動においては、残業時間の短縮についてどのような対策をしているのか、努力目標は数値としてあるのか、その他、人の確保について柔軟に対応しているか、などの視点でチェックするとよいでしょう。

※「人を活かす会社」調査 調査概要
 日本経済新聞社、日経リサーチ、日経HRと共同で企画。企業の人事・労務制度の充実度を点数化し、ビジネスパーソンが重視する度合いに応じて傾斜配分し、ランキングを作成した。前身の調査「働きやすい会社アンケート」を含めると14回目。上場かつ連結従業員数1000人以上の企業とそれらに準じる有力企業の計1260社を対象に、6月から7月にかけてアンケート調査を実施、462社から有効回答を得た。ビジネスパーソン調査はインターネットを通じて約1万2000人を対象に、7月20日~25日にかけて実施した。企業向け設問と対応した計71の設問について重視度をたずね、1043人から回答を得た。

◎ランキングについて詳しくは、「日経キャリアマガジン特別編集 日本の優良企業パーフェクトブック2018年度版」をご覧ください。
https://www.nikkeihr.co.jp/mook/204.html

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