就活に詳しいアナリストが伝授 企業研究に役立つIR情報【1】 IR情報を企業研究に活用しよう

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就活に詳しいアナリストが伝授 企業研究に役立つIR情報【1】 IR情報を企業研究に活用しよう

 20年以上にわたり証券アナリストとして活躍。大学で就活支援も行う、企業と就活の専門家が、「IR情報」を活用した企業研究のやり方を分かりやすく解説します。
(文/日本経済大学経営学部教授 兼 キャリアサポートセンター長、証券アナリスト  西村尚純 ※プロフィルは2ページ目)

IR情報とは何だろう?

 みなさんはどのような方法で志望企業の研究を行っていますか? 会社説明会で人事部の方の話を聞いたり、企業のウェブサイトで事業概要をチェックしたりしている方が大半ですよね。本当は企業のことをもっと深く研究したいのに、そのやり方がよく分からなくて困っているのが実際のところではないでしょうか。

 そこで本連載では全6回にわたって、上場企業の「IR情報」を活用した効率的かつ効果的な企業研究を解説していきます。筆者はこれまで20年以上にわたって証券アナリストとして企業調査の最前線に身を置いてきました。この経験が少しでもみなさんのお役に立てば、と考えています。

 企業の現状や将来の姿を深く知るにはIR情報が最適です。IRとはInvestor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、上場企業が投資家(機関投資家=運用機関のファンドマネージャー、証券会社のアナリスト、個人投資家)向けに投資判断に必要な情報を適切なタイミングで発信することを意味します。

 企業のIR部門の現場では、株価に影響を与えると判断される情報の開示(例えば他社との合併、業績予想の上方・下方修正、新商品の発表、決算発表など)を行っているほか、機関投資家・証券アナリスト向けの決算説明会や中期経営計画説明会などを開催しています。

IR情報は会社を理解するための情報の宝庫

 上場企業のIR部門による情報開示はすべてウェブサイトで見ることができます。例えば、三菱重工業(https://www.mhi.co.jp/)の「投資家情報」のページを開くと財務・業績、経営方針、IRライブラリなど盛りだくさんです。業界研究を行ううえで、必要な情報がすべて網羅されているといっても過言ではないのです。

 一方で三菱重工業の新卒採用のページを見ると、確かに採用情報、キャリアインタビューやプロジェクト、イベントなどについては詳しいのですが、同社の財務や中期経営計画の情報が充実しているかといえば、決してそうではありません。企業の現状や将来を知るには、財務や中期経営計画の分析が必要不可欠です。このため、業界・企業研究には投資家向けに開示されたIR情報を利用するのがベストだと考えます。

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