就活に詳しいアナリストが伝授 企業研究に役立つIR情報【4】 ROAとROE

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就活に詳しいアナリストが伝授 企業研究に役立つIR情報【4】 ROAとROE

 20年以上にわたり証券アナリストとして活躍。大学で就活支援も行う、企業と就活の専門家が、「IR情報」を活用した企業研究のやり方を分かりやすく解説します。
(文/日本経済大学経営学部教授 兼 キャリアサポートセンター長、証券アナリスト  西村尚純 ※プロフィルは3ページ目)

ROAは経営者がうまく舵取りしているかを見る指標

 今回は、企業の収益力を表す代表的な指標「ROA(Return on Asset、総資産利益率)」と「ROE(Return on Equity、自己資本利益率)」を説明します。言葉からは難しそうな印象を抱かれるかもしれませんが、実際にはそれほどでもありませんので、よく読んで理解してほしいと思います。

 まずROAです。ROAは「利益÷総資産×100」で計算します。<分子の部分の利益>は営業利益、経常利益、税引き前利益、当期純利益のいずれでも構いませんが、通常は経常利益もしくは税引き後の当期純利益を使用します。分母は貸借対照表の右半分を占める総資産(=自己資本+他人資本)です。
※参考 https://labo.nikkeihr.co.jp/contents/data/kigyokenkyu_ni3_1/

 この指標が意味しているのは、「企業がすべての資産、つまり他人資本(負債)と自己資本を使ってどれだけの利益を上げているか」ということです。これを別の言葉で表現すれば、ROAは総資産を分母にしている点で「経営者が持ちうる全ての資産を使ってうまく会社の舵取りを行っているか」を判断する材料になります。

 各業界の主要な企業のROAを見てみましょう。2015年3月期の大成建設(建設)のROAは4.5%、キッコーマン(食品)6.7%、日産自動車(自動車)4.4%、ブラザー工業(機械)9.9%、東レ(化学)5.7%、新日鐵住金(鉄鋼)6.3%、三井造船(輸送用機器)1.5%、JR東日本(鉄道)4.8%、三菱地所(不動産)2.8%などとなっています。一般的には資産が大きく、借入れの大きい会社のROAは低くなる傾向があります。

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