10~20年後、ロボットなどに置き換わる可能性の高い職業・低い職業とは?(前編)

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10~20年後、ロボットなどに置き換わる可能性の高い職業・低い職業とは?(前編)

 学生の皆さんが30~40歳代になったとき、携わっている仕事がロボットなどに置き換わる可能性について考えたことはありますか? 2015年12月、野村総合研究所(NRI)は10~20年後に人工知能(AI)やロボットなどによって、技術的に代替できる可能性が高い職業と低い職業、そしてそれぞれの職業の傾向などの研究結果を発表しました。

 NRIの研究結果を紹介しますので、これからの職種選び、そして社会人になったときのキャリアの築き方のヒントにしてみてください。研究を担当したNRI上級コンサルタントの上田恵陶奈さんに話を聞きました。前編、後編の2回に分けて掲載します(後編は5月3日掲載予定)。

一般事務員の仕事はAIなどに代替される?

 ――研究の概要を教えてください。

 NRI未来創発センターは、英国オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究により、10~20年後にAIやロボットなどが技術的に代替できる職業(国内601職種)の確率を試算しました。

 オズボーン博士は先行研究として、米国の労働市場における自動化可能な職業の研究成果を13年に論文発表されています。NRIはオズボーン博士と共同で1年ほどかけて日本市場についてデータを集めて分析し、「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」として研究成果を15年12月に発表しました。

 未来創発センターはNRIのR&D(研究開発)セクターで、今回の研究は「“2030年”から日本を考える、“今”から2030年の日本に備える。」をテーマに行っている研究活動の1つです。

 ――代替可能性が「高い職種」「低い職種」の具体例は?

 具体的な職種例は、NRIのサイト(下記※)で、可能性の高い・低い職種それぞれ100職種ずつ挙げていますので、詳しくはそちらを見ていただきたいのですが、一例を挙げると、代替可能性が高い職業、つまりAIやロボットに置き換わる可能性が高い職業は、一般事務員、銀行窓口係、警備員、電車運転士、自動車組立工、通関士などです。

 一方、代替可能性が低い職業は、インテリアデザイナー、経営コンサルタント、雑誌編集者、幼稚園教員、ケアマネージャー、学校カウンセラー、外科医などです。

※NRIニュースリリース https://www.nri.com/jp/news/
    ↓
2015年12月02日
「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」

代替可能性が高い・低い職種の傾向

 ――代替可能性が高い職種、低い職種の傾向は?

 AIやロボットに代替されにくい職業の傾向は、一言で言うと自動化ができない仕事です。「創造性・クリエーティビリティーが求められる」「コミュニケーション力が必要」「非定型の業務」の3つの要素を含んでいる仕事と言えます。

 創造性・クリエーティビリティーが求められる職業は、抽象的な概念を形に作り出したり、知識が要求されたりします。これは、なかなか自動化・機械化は難しいでしょう。デザイナーやゲームクリエーターや学者などがこれにあたります。

 2つ目の「コミュニケーション」も、他者を理解して協調したり、場合によっては交渉(ネゴシエーション)したりするときは、臨機応変な対応が必要なため、パターン化はかなり難しい。もちろん最近は、相手の表情を読んで対応するロボットなど様々な研究が進んではいますが、それが完全実用化できるまでは、なかなかハードルが高いのが実情です。

 例えば、病院に行くとロボットが問診と治療をして、薬を処方する――。こんなことは全く不可能ではなさそうですが、やはり医師が患者と向き合い、いろいろ質問をしたり、症状を聞いたりしながら治療をしていくというのが今後も求められるでしょう。

 3つ目の「非定形の業務」については、データ分析や秩序的・体系的操作が求められない職種。逆に定型的な業務、パターン化された業務であれば、確実に自動化できます。

 かつて、駅の改札の切符切りは人の手で行っていましたが、今はその多くが自動改札機にとって代わられました。そんなことをイメージすると分かりやすいのでは。

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