10~20年後、ロボットなどに置き換わる可能性の高い職業・低い職業とは?(後編)

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10~20年後、ロボットなどに置き換わる可能性の高い職業・低い職業とは?(後編)

 学生の皆さんが30~40歳代になったとき、携わっている仕事がロボットなどに置き換わる可能性について考えたことはありますか? 2015年12月、野村総合研究所(NRI)は10~20年後に人工知能(AI)やロボットなどによって、技術的に代替できる可能性が高い職業と低い職業、そしてそれぞれの職業の傾向などの研究結果を発表しました。

 NRIの研究結果を紹介しますので、これからの職種選び、そして社会人になったときのキャリアの築き方のヒントにしてみてください。研究を担当したNRI上級コンサルタントの上田恵陶奈さんに話を聞きました。今回は前編、後編の2回に分けた後編です。
●【前編】はこちら
https://labo.nikkeihr.co.jp/contents/howto/future-work01_01/

2030年には中国・インドも人口減少に?

 ――(前編で)10~20年後の社会は、国内は労働力不足と貧富の差による二極化が進むと推測されているとのことでした。では、海外との関係ではどうなると推測していますか?

 アジア全域で、高齢化が起きることが予想されています。高齢化は日本だけの現象ではなく、各国とも労働力が足りなくなります。

 アジアにおける生産年齢人口の比率は、各国とも下がっていきます。とりわけ大きいのは、中国やインドが人口減少に転じることです。これまでこの2カ国は、労働者の供給源だと思われてきました。しかし、人口減少に転じて、2カ国が労働者を受け入れる側にまわります。しかも、規模の大きな2カ国ですので、必要とする労働者数も多くなります。

 それと日本の給与水準は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では、すでに下位。さらに下がっていくことが考えられるので、賃金をテコに海外から労働者を集めることは難しいといえます。

 こう考えると、海外の労働者が日本へやって来るとはとても思えません。海外から労働力を補うという発想は、30年には破たんしています。

日本は約半数の労働者の仕事が代替可能性高い

 ――研究では「代替可能性が高い労働人口の割合」について、日本・米国・英国の割合も発表しました。これを見ると、日本が49%と最も高いのです。

 代替可能性が高い労働人口の割合をみると、日本49%、米国47%、英国35%でした。この数値に対する評価は難しいのですが、前提として自動化可能性な職業に先進国間ではそれほど差はないということ。「この職業はA国ではなくなるが、B国では残り続ける」ということは、ほとんどありません。

 ただし、それぞれの職業にどのくらいの人が従事しているかという職業構造は、国によって異なります。また、例えば「デザイナー」という職業の中にどのような業務を含むかという定義は、国によって違ってくるので若干の差は出てきます。

 そういった観点から考えると、少なくとも日本と米国は同じ数値だと思っても問題ないでしょう。一方、英国が2カ国と比べて低いのは、AIやロボットなどに代替されにくい職業の人が多いということです。金融で稼いでいる英国の特徴なのかもしれませんが。

 結論を一言で言えば、先進国では一定の比率の人がAIなどによる影響を受けるということです。

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