「業界」時事最新トピックス(不動産業界)

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「業界」時事最新トピックス(不動産業界)

 どの業界を志望するにしても押さえておきたいのは業界の「時事問題」です。背景にある社会情勢や、そのトピックスがもたらす業界や顧客など関係者への影響なども押さえておく必要があります。そして、ここが何より大切なことですが、そのトピックスについて自分なりの意見や将来の見通しについての考えを持つこと、これが就活ではとても重要なポイントです。今回のテーマは「不動産業界」。建設業界と並んで、現在注目を集めている業界です。不動産業界の主なプレーヤーの紹介から、今後押さえておくべきキーワードを紹介します。(文/武蔵野音楽大学就職課主任 兼 会計学講師 大内孝夫 ※プロフィルは2ページ目)

土地と建物、お金をセットで動かす不動産業界

 不動産業界は、2020年の東京五輪に向けて、建設業界と並び今もっとも注目を集めている業界の1つと言っていいでしょう。不動産業界を代表するのは三井不動産や三菱地所などの「総合デベロッパー」と呼ばれる企業群です。ビル賃貸の他、都心部の再開発(注1)、マンション開発、アウトレットモール開発・運営(注2)などで強みを発揮しています。

 業界としてのすそ野は広く、アパート賃貸・建設業、不動産販売・仲介業、投資用不動産販売・仲介業、一般不動産管理業などが存在します。また、用地取得と建物建設が一体的に行われることが多いため、マンション、アパート、戸建て建築業との垣根は非常に低くなっています。投資法人が投資家から集めたおカネで不動産を購入し、その賃料などをもとに投資家に分配する金融商品(投資信託)であるJ-REITもあわせて覚えておきましょう。

9年ぶりの地価上昇、大型再開発も活発

 16年の地価調査(国土交通省発表)によると、先行していた三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の商業地に続き、全国の商業地が9年ぶりに下落を脱し、地方も回復の広がりを見せ始めました。特に札幌、仙台、広島、福岡は住宅地、商業地とも三大都市圏を上回る勢いです。これに呼応するかのように都心部のビルの空室率は低下し、オフィス賃料も上昇傾向にあります。

 「インバウンド」と呼ばれる外国人旅行客数の増加も手伝って、新しいビル、人気のある街では高い賃料が期待できることから、大型の再開発プロジェクトが活発に動いています。

新築マンションは低調、背景に人口減

 一方、これまで好調だった都心部のマンション販売には陰りが出てきています。首都圏の新築マンション価格は順調に値上がりしてきましたが、16年は4年ぶりにマイナスを記録し、契約率も09年以来7年ぶりに好調の目途とされる70%を割り込みました。

 原因としてマンション価格の急上昇や個人所得の伸び悩み、外国人の不動産購入意欲低下などを挙げる向きもありますが、日本が本格的な人口減少社会に突入したことや、全国的に空き家が増えていることが大きな背景としてあるのかもしれません。

(注1)再開発事業では、各企業が得意とする地域を一体的に開発します。東京では丸の内、大手町、東京駅周辺は三菱地所、日本橋、八重洲、日比谷は三井不動産、虎ノ門は森ビルと森トラスト、渋谷は東急不動産といった具合です。多くの再開発事業では、都市再生特別地区(特区)制度を活用し、建築基準法で規制されている容積率や高さなどの規制を超えた高度利用が図られています。
(注2)各地につくられているアウトレットモールは三井不動産と三菱地所の独壇場となっています。

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