「女性営業」成功ノウハウ【1】女も男も苦しめる、働き方の「男性型モデル」

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「女性営業」成功ノウハウ【1】女も男も苦しめる、働き方の「男性型モデル」

 「4R」という言葉を知っていますか? 人事(HR)、広報・宣伝(PR)、経理(IR)、お客様相談(CR)の4部署の総称で、従来、女性が配属されやすい職種といわれてきました。これに対し男性社員中心の営業職では、女性登用が進まないことが課題となっています。出産や育児を理由にキャリアを諦めないために、自分の可能性にブレーキをかけないために――。営業職など特に「オトコ社会」が根強い業界で生き抜くためのノウハウを、延べ4万2千人以上の女性営業職を支援してきた「営業部女子課」を主宰し、人材育成コンサルタントでもある太田彩子さんに教えてもらいます。

「体育会系」の落とし穴?

 これまで営業職の女性の相談を受ける中で、一番よく耳にした悩みが「キャリアに関して相談できる女性が周囲にいない」ということでした。同じ営業職でも人材サービス、広告・宣伝といった業種では女性比率が比較的高いのに対し、製造業や情報通信、不動産などでは「営業で採用されたのはいいけれど、同僚も上司も男性ばかり」というケースが多かったのです。

 2016年4月の「女性活躍推進法」施行に伴い、特に経営層の女性登用・育成への意識は向上しています。これまでは営業職として女性を採用することに消極的だった企業でも、変化が期待されるでしょう。ただし、長らく男性中心で回ってきた現場の意識や風土は、一朝一夕には変わりません。スキルや可能性をキャリアへつなげるには、女性が自らの「強み」を意識し、それを使って積極的に組織の変革を後押ししていくことも大切になります。

 ところで、読者の皆さんは「営業職」と聞いたときにどんなイメージを思い浮かべるでしょうか? 根性、気合、ハードワーク、体育会系……といったキーワードが上がってきそうですね。私も元々は営業職でしたが、そうしたイメージは概ね実情にも当てはまっているといえます。個人の努力の積み重ねや人間的魅力で相手の信頼を獲得し、自社の商品・サービスを買ってもらう。「○○さんだから信頼できる」と言われるのは確かに嬉しいことです。ただ、そうして仕事が「属人的」になると、顧客が増えれば増えるほどに、1人が抱える実務作業も雪だるま式に膨らんでいきます。結果として長時間労働が常態化し、十分な休暇も取れない「旧来の男性型モデル」の働き方が当たり前とされる風土が出来上がってしまうのです。

 このモデルは「男性は外で働き、女性は家庭で家事や子育てを担う」という性別役割分業意識に支えられてきたことは言うまでもありません。「長時間労働ができないのなら一線を退け」というプレッシャーの中で、女性は結婚・出産・育児といったライフイベントをきっかけに、キャリアを諦めざるを得なかったのです。冒頭で紹介したお悩みにも見られるように、仕事と生活を両立させているロールモデルが不在であったことから、働き続けた先のキャリアに自信を持ちにくかった側面もあります。

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