生き残る企業の秘密【1】多角化

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生き残る企業の秘密【1】多角化

 就職活動の企業選びでは、知名度や規模などではなく、中長期的に成長し生き残れる会社かどうか、といった視点が重要です。「生き残る種とは、変化する種である」といわれるように、長く続く企業には環境の変化に柔軟に対応してきた過去があります。ここでは、大学生のみなさんが長期にわたって働き続けられるような「生き残る企業」の事業変化をみていきましょう。変化の仕方にはいくつかあり、第1回目は「多角化」を紹介します。
※本記事は「日経キャリアマガジン特別編集 日本の優良企業パーフェクトブック2018年度版」掲載の「武器は変化力!進化型企業の分析」を再構成したものです。

多角化は最も代表的な企業進化の手段

 多角化は、手掛ける事業領域を広げることで、規模の拡大や収益力の強化、既存事業との相乗効果を得ることを指します。多角化によって事業拡大を図ることは、企業進化のための代表的な手段です。
 大きく「総合型(水平型)」「バリューチェーン型(垂直型)」「新市場開拓型(集中型)」「異業種参入型(集成型)」の4タイプあります。

蓄積した技術を応用、既存顧客に新製品を提供・・・総合型

 総合型(水平型)は、自社が持つ技術やノウハウを活用して、既存の顧客に対し新たな製品・サービスを提供していくタイプの多角化です。
 このタイプの多角化で成長を遂げた代表例が味の素です。1908年、アミノ酸の一種であるグルタミン酸を原料としたうま味調味料の製造方法を開発。翌年に「味の素」として発売しました。調味料メーカーとしてスタートした同社はその後、インスタント向けのコーヒーやスープ、マヨネーズ、さらに飼料や医薬品などの事業に次々と参入。アミノ酸技術を核に、食と健康に関わるさまざまな事業を手掛ける総合食品メーカーへと進化していきました。

川上・川下へ事業を展開・・・バリューチェーン型

 バリューチェーン型(垂直型)は、原材料や部品から完成品をつくり、それを流通チャネルに載せて消費者に届けていくまでのモノの供給の流れの中で、川上から川下へ、あるいは川下から川上へと新事業を展開していくタイプの多角化です。 最近では、カゴメや伊藤園といった食品・飲料メーカーが農業に参入する例などが多く見られます。
 カジュアル衣料店「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは、もともとは衣料品の小売業者でしたが、自社で製品開発を手掛けるようになり、いわゆる製造小売業(SPA)へと進化して劇的な成長を遂げました。

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