生き残る企業の秘密【2】選択と集中

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生き残る企業の秘密【2】選択と集中

 就職活動の企業選びでは、知名度や規模などではなく、中長期的に成長し生き残れる会社かどうか、といった視点が重要です。「生き残る種とは、変化する種である」といわれるように、長く続く企業には環境の変化に柔軟に対応してきた過去があります。ここでは、大学生のみなさんが長期にわたって働き続けられるような「生き残る企業」の事業変化をみていきましょう。変化の仕方にはいくつかあり、第2回目は「選択と集中」を紹介します。
※本記事は「日経キャリアマガジン特別編集 日本の優良企業パーフェクトブック2018年度版」掲載の「武器は変化力!進化型企業の分析」を再構成したものです。

ドラッカーが提唱、米GEの成長の原動力に

 「選択と集中」は、自社の事業の中で、成長性の高い分野や自社の強みが生かせる分野を見極めて経営資源を集中すると共に、それ以外の事業は縮小・撤退していくことを指します。多角化で事業部門を増やした企業が、事業を選別して収益力を高め、さらなる進化を目指すものです。

 経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した考え方で、初めて本格的に実践したのは米ゼネラル・エレクトリック(GE)社とされます。創業130年以上の歴史があり、発電設備や医療機器のほか、ジェットエンジンや金融業などを手掛ける巨大企業ですが、1980年代に「世界で1位か2位になれない事業からは撤退」という大胆な方針を掲げ、事業の大規模な整理を進めました。結果、同社は成長を維持し、電力や航空機エンジン分野で世界首位となっています。

製薬業界での生き残りを懸け、黒字事業も敢えて再編

 日本において「選択と集中」の成功例といわれているのが、武田薬品工業が2000年代前後に取り組んだ医薬外事業の見直しです。
 武田薬品は事業の多角化により、動物薬やビタミン、食品など複数の医薬外事業を抱えていました。いずれも黒字でしたが、製薬業界は世界規模での再編が進み、巨大企業が生まれていました。本業の医薬品事業での国際競争に勝ち残っていくには、有力な新薬を生み出すための積極的な研究開発投資が重要になります。
 
 そこで医薬外事業を縮小・撤退し、経営資源を医薬品に集中させていくことが必要と判断。1999年以降、図に示したように、飼料や動物薬など5つの事業を順次他社に譲渡し、収益力を高めることに成功しています。

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