巨大企業の研究 ~グローバル企業編~

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巨大企業の研究 ~グローバル企業編~

 グローバル企業と聞いて、皆さんはどんな会社をイメージするでしょうか。海外売上高比率の高い企業、さまざまな国籍・地域の人が働く企業、高い世界シェアを獲得している企業……。そのどれも間違いではありませんが、就活においては見逃してはいけない点があります。今回は大内孝夫さんにグローバル企業の特徴のとらえ方を解説していただきます。
(文/武蔵野音楽大学就職課主任 兼 会計学講師 大内孝夫 ※プロフィルは2ページ目)

世界進出を「西部劇」から考えてみる

 今回の話は、まず西部劇に遡ります。アメリカはかつてイギリスの植民地でしたが、1776年に東部13州が独立宣言を行い、建国されました。その後、西部開拓が行われ、西部劇の時代にはテキサスあたりが「西部」=「辺境」(フロンティア)でしたが、次第に西に移動し、1890年には西海岸に到達しフロンティアは消滅、広大な国家が形成されました。

 その間、アメリカはヨーロッパ諸国などに対してアメリカ大陸との相互不干渉を主張するモンロー主義を主張してきましたが、フロンティアが消滅すると事情が変わってきます。開拓の場をアメリカ大陸の外へと「海のフロンティア」を求め、積極的に海外進出を図るようになったのです。しかし、フロンティア開拓では西進し領土拡大を目指しましたが、「海のフロンティア」開拓では経済権益拡大の方向で進められます。アメリカの多くの巨大企業は、このような歴史的文脈の中から誕生しました。

ITにより世界展開はスピードアップ

 しかし、経済的な権益の拡大といってもそうたやすいことではありません。各国にはそれぞれの歴史や文化があり、そう簡単には受け入れられず、それが大きなリスク要因となるからです。ですから最近までは海外進出する際、まずは進出先の国・地域に事務所を置いて情報収集し、「現地の有力企業との業務提携⇒資本参加⇒合弁企業設立」と進展し、最終段階で現地法人を設立するのが一般的でした。

 現地法人とは、例えば日本マクドナルドのように海外企業の出資によって設立された現地の法律に基づく企業のことです。このようにして積極的に海外展開する企業のことを、多くの国籍を持つ企業=「多国籍企業」と呼んでいました。私が社会人になった1984年当時の日本では、その代名詞がIBMやコカ・コーラでした。

 しかし、東西冷戦が終わり、世界市場の均一化が始まると様相は一変していきます。資本移動や関税障壁低減による貿易の自由化などさまざまな経済の自由化策に、IT(情報技術)の進展が加わることで、これまで時間を掛けて一国一国に進出していたものがまとめて世界展開できるようになったのです。

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