NARFレポート【2】アジアの大学の先生から見た日系企業のイメージは?

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NARFレポート【2】アジアの大学の先生から見た日系企業のイメージは?
今回、取材を受けていただいた3人の先生。左から、ユユ先生(インドネシア パジャジャラン大学)、トィーイ先生(ベトナム 貿易大学ハノイ校)、ターライ先生(マレーシア マラヤ大学)

 日経HRは2016年8月に「NIKKEI ASIAN RECRUITING FORUM(NARF) in 東京」を、東京・水道橋にある日本大学法学部のキャンパスで開催しました。これは日経HRが日本経済新聞社グローバル事業室と海外との交流機関である国際交流基金の協力を得て、アジア9カ国・50大学と連携し、現地学生約100人を日本へ招待して面接を行う日本企業就職支援プログラムです。

 13年から開催しており、16年は4回目となります。15年開催では招待した学生100人のうち53人が日系企業から内定を獲得しました。

 今回はインド、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、中国の9カ国から日本企業で働くことに関心の高い101人の学生を招待。アジア地域の学生の採用を目指す26社が、4日間にわたって面接を行いました。

 日系企業のアジア地域への進出は著しいですが、学生を送り出すアジアの大学の先生たちは、日本の企業をどのように見ているのでしょうか。学生とともに来日した3人の先生に話を聞きました。

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話を聞いた先生は、以下の3人です。
●インドネシア パジャジャラン大学(Universitas Padjadjaran) ユユ先生
●マレーシア マラヤ大学(University of Malaya) ターライ先生
●ベトナム 貿易大学ハノイ校(Foreign Trade University) トゥーイ先生

日本人はまだまだ「ワーク」優先のイメージ?

――日本の企業に対して、どのようなイメージを持っていますか?

【ユユ先生】
 私が教えている日本語学科の学生にとって、日系企業で働き、日本語を使って仕事をすることは憧れです。大学で勉強してきた知識を仕事に生かしたいという思いがあるとともに、日系企業は給与水準が高いことも理由です。

【トゥーイ先生】
 NARFプログラムへの参加は4回目です。このプログラムを使って内定を獲得し、実際に働いている人に、以前、ベトナムの企業と日本の企業の違いを聞いたところ、大きく3つありました。

 1つ目はワークライフバランスの考え方です。日本でもここ数年、ワークライフバランスの考え方が浸透してきましたが、それでもどちらかというとベトナム人は「ライフ」を優先するのに対して、日本人は「ワーク」を優先しているように見えるそうです。

 2つ目は、職業スキルの身に付け方。日本の企業は職場(部署)をいくつかローテーション(異動)することで、いろいろな業務経験をさせることが一般的のようですが、ベトナムはいくつもの業務経験をするより、1つの業務に特化してエキスパートを目指したいという人が多いです。実際、ベトナム国内の企業は、頻繁に異動することはあまりないような気がします。

 3つ目は、日本人は会社のために献身的に働きますし、それが社員のやりがいの1つでもあるように見えるそうです。ベトナム人もそれはもちろんありますが、それ以上に自分自身のスキルを磨いたり、自己開発をしたりすることのほうが重要と考える傾向があります。

【ターライ先生】
 日本の企業のイメージは、留学などで日本に行った経験がある学生と日本に行った経験がない学生とでは、イメージがまるで異なります。一度も日本へ行った経験のない学生のイメージは、大ざっぱに言うとマスメディアなどから得たイメージしかなく、「仕事が厳しい」「残業が多い」などが多いです。ただ、留学すると「日本で仕事がしたい!」と気持ちが変わって、戻って来ます。日本の良さが分かったということでしょう。

 私が所属する日本語学科の多くの学生は、日本のアニメやポップカルチャーが好きだから日本語を勉強したいといった理由で入学してきます。日本で働きたいという理由で入学して来る学生は、それほど多くありません。

 NARFプログラムへ初めて参加した4年前は、日本の企業で働くというイメージを持つ学生は少なく、学生に将来就きたい仕事を聞くと、日本語の翻訳者や通訳を挙げることが多かったです。ただ、NARFプログラムを通じて就職先の可能性が広がったことで、日本の企業の内定を目指そうという学生が増えている気がします。

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