留学生の就職活動【2】識者に聞く 留学生就職の実態と就活支援の提案(2)

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留学生の就職活動【2】識者に聞く 留学生就職の実態と就活支援の提案(2)
一般社団法人留学生支援ネットワークの久保田学・事務局長

 政府の「留学生30万人計画」などを背景に、海外から日本の大学などへ留学する外国人が増加しており、卒業後は日本で働きたいと希望する留学生も多数います。そんな外国人留学生は、どのように就職活動に取り組んでいるのでしょうか。識者へのインタビューや大学の就職支援の実例を紹介します。

 一般社団法人留学生支援ネットワークの久保田学・事務局長に、留学生の就職事情や就活支援のポイントなどについて解説していただきました。2回に分けて紹介する第2回です。

※一般社団法人留学生支援ネットワーク  https://www.issn.or.jp/
※第1回の記事はこちら

日本で就職希望の留学生の特徴は?

――企業が留学生を採用する目的は何ですか?

 大きく分けて3つあります。1つ目は、優秀な人材であれば国籍に関係なく採用するというもの、2つ目は海外現地法人に関する業務や海外の取引先に関する業務などを目的とした採用です。最近は海外からの観光客に対応する業務なども増えています。

 最後がダイバーシティー(人材の多様性)の一環や社内活性化などの目的で、特に大手企業で増えています。一方で、慢性的な人手不足から留学生を採用するという企業も増えています。

――日本で就職を希望する留学生に特徴などはありますか?

 母国と日本に関係する仕事がしたいと考える学生が大半です。その気持ちは当然だと思います。母国に関係する仕事として考えるのが、現地法人を設立している企業、母国との商取引がある企業、母国からの観光客に対応する企業などが想定されます。ただ、これは一部の国籍の留学生が日本で就職できない理由にもなりえます。

 留学生が増えているベトナムやネパールの学生を採用する企業は、果たしてどれくらいあるのでしょうか? それらの国の観光客はそれほど多くなく、ネパールなどは日本の企業が進出するケースもほとんどありません。ベトナムについては、進出している日系企業は増えてはいますが、それでも1社に1人または数人のベトナム出身者がいれば対応は困らないため、圧倒的にポジション数は少ないです。

“日本人化”している留学生

 また、留学生は日本人以上に大企業志向が強いと感じます。その要因として、業界・企業研究をせずに、就活をしている学生が多くみられます。研究をほとんどしないので、母国でも有名な大手企業しか知りません。大手企業数社にエントリーをして、エントリーシート(ES)や筆記試験などの選考で落ち続けて、いつの間にか就活をやめているというケースが多くあります。

 大手を志望するのは、日本の大手企業に就職しておけば転職するときに有利になると考える別の理由もあるようです。多くの留学生は日本で就職しても最終的には母国に戻ります。そのときのキャリアを考える学生もいますね。

 一方で企業側からは、“日本人化”している留学生が多くなったとの声も多く耳にします。確かに、私が大学などで留学生向けに講演をすると、以前は前のほうの席から埋まっていったのですが、最近は日本人学生と同じように後ろの席から座っていきますね。日本人のように控えめで、積極性のない学生が多くなったような気がします。

 日本企業は世界でも独特の慣習があり、企業のグローバル化の過程においては、日本企業が国際化するか、外国人材が日本企業に合わせるかのどちらかです。現在は、外国人材が採用時から入社後まで日本企業のルールに合わせらないと受け入れられないように見受けられます。日本人にいないようなバイタリティーあふれるような彼らの良さが消えつつあります。

 また、人事担当者としても配属先の現場社員とのコミュニケーションを考えると、日本人化した留学生のほうが使いやすいという現実もあるのでしょう。

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