「働くこと」に関するルールを学ぼう  ①アルバイト編 

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「働くこと」に関するルールを学ぼう  ①アルバイト編 

 学生の皆さんは、アルバイトや就活を通して、「社会で働く」ことを身近に感じていることでしょう。アルバイト先などとトラブルなく、気持ちよく働くために、学生が最低限知っておくべき「労働」に関するルールを、「アルバイト編」「就活・就職編」に分けてお伝えします。
(取材協力:東京都産業労働局)

【あなたのバイトは大丈夫?】

 このサイトを見ている学生の皆さん、アルバイトはしているでしょうか? コンビニエンスストアやカフェ、居酒屋などでの接客業、塾講師、イベントなどでの肉体労働系など、学生が活躍しているアルバイトは多岐にわたります。それらを通して「働く」ことのやりがいと大変さを学んだり、学校では出会えないような多様な人と接点をもったり……など貴重な経験を積んでいる人も多いでしょう。

 その一方で、本来の目的から逸れたアルバイトに苦しむ学生もいます。残業代がきちんと支払われなかったり、授業に出られないなど学生生活に支障をきたすほどのきついノルマやシフトを強制されたりするケースもあり、社会的な問題となっています。”ブラック企業“から派生したと考えられる”ブラックバイト“という言葉も、市民権を得てきました。

 もっとも、慢性的に続く人手不足でアルバイトの時給も上昇傾向にある今、「こんなにひどい条件で働くなんて、おかしい」と感じて、さっと辞めて別のアルバイトを始めるようなフットワークが軽い学生であれば”ブラックバイト“で苦しむことはないのでしょうが、まじめで責任感が強いがゆえに、トラブルを抱えてしまう学生もいます。「アルバイト先との関係をこじらせたくない」と思うあまり、「辞めたくても辞められない」という相談も多くなっているそうです。

 「どういう扱いが不当なのか、もっと早くに分かっていたら……」「契約の際に、きちんと条件を確認していたら……」。労働法(労働基準法や最低賃金法など、働くことに関する法律の総称)についてあらかじめ知識をもっていれば、採用の際に労働条件の確認をきちんと行い、トラブルを事前に防げたり、あるいは早期解決に結びつけられたり……という可能性も高くなるはずです。まずは労働法の規定に関してどれくらい知識があるか、○×クイズで確認してみましょう。

【○×クイズで基礎知識確認! 】

(問題)
1.アルバイトの場合、「8時間連続勤務」はありえる。○か×か?
2.塾のアルバイトで、授業を終えた後に教室の掃除をした時間も、給料はもらえる。○か×か?
3.「替わりになる人員を見つけないと、辞めさせない」と言われたが、見つけなくても辞めることはできる。○か×か?
4.研修期間中の時給は、最低賃金より低くても仕方がない。○か×か?

(解答と解説)
1.×
働く時間が1日あたり6時間を超えたら45 分、8時間を超えたら60分の休憩をとらなければなりません。

2.○
指示された業務であれば、給料はもらうことができます。開始前のミーティングや教材作成、授業後の掃除等の時間も、労働時間として考えることができるからです。塾のアルバイトは「1コマ○円」というかたちで募集しているケースもあるかもしれませんが、その場合は採用の際に、授業以外の時間についてはどう扱われるのか、確認したほうがよいでしょう。

3.○ 
代替要員を見つけなくても辞めることができます。労働者には、退職の自由が保障されているからです。ただし、後述とのとおり、一定のルールに従って辞める必要があります。
実は東京都のアルバイト(パートも含む)の労働条件に関する相談で、最も多い件数を占める項目が「退職」に関するもので、そのなかでも退職勧奨、退職強要に続き、「退職届の不受理」は依然として多いそうです。
働く期間が決まっていない契約の場合は、雇い主が認めればすぐに退職できます。雇い主が認めなければ、原則2週間前までに退職を申し出れば、辞めることができます。

働く期間が決まっている場合は、その期間は仕事を続けなければならないのが原則です。契約期間の途中で辞めてしまうことは、契約違反にあたります。契約期間の途中でも、「やむを得ない事由」で辞めること自体はできるのですが、その「やむを得ない事由」が本人の過失による場合には、損害賠償を請求される可能性があります。病気や家族の介護など、本人の意思で避けることのできない理由で働けなくなった場合は、通常「やむを得ない事由」として考えられます。しかし、「仕事が自分に向いていない」などの理由は本人の責任によるものですから、一方的に辞めれば責任を負うケースも生じるでしょう。ですから、雇われる期間が決まっている場合、なるべく早いうちに雇い主に相談し、時期や条件などについてよく話し合って、納得してもらって退職した方がよいでしょう。

また、退職の申し出は口頭でも有効ですが、トラブル防止のため、できれば「退職届」などの書面を提出した方がいいでしょう。

4.×
アルバイトの研修中であっても、最低賃金を下回ることは違法です。最低賃金は、正社員やパート・アルバイトといった働き方に関わらずすべての働く人に適用されます。都道府県ごとに決められており、最も高い東京都の場合は907円です(2016年8月現在)。

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