「働くこと」に関するルールを学ぼう ②就活・就職編 (後編)

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「働くこと」に関するルールを学ぼう ②就活・就職編 (後編)

 学生の皆さんは、アルバイトや就活を通して、「社会で働く」ことを身近に感じていることでしょう。トラブルなく気持ちよく働くために、学生が最低限知っておくべき「労働」に関するルールを、「アルバイト編」「就活・就職編」に分けてお伝えします。今回は「就活・就職編」の「後編」です。
(取材協力:東京都産業労働局)
★前編はこちら
https://labo.nikkeihr.co.jp/contents/news/workrule_02_01/

【“ブラック”さ を見抜くために】

 “ブラック企業”で働きたい人はどこにもいませんよね。でも、なぜそうした企業に就職してしまうのかというと、そのような企業は募集の際に労働条件をあいまいにし、“ブラック”であることを分かりにくくしているからです。前編で述べたような初任給の表示についても、その一例だといえるでしょう。しかし、学生側からも“ブラックさ”を調べる手段はあります。その一例に『就職四季報』(東洋経済新報社)の活用が挙げられます。

 『就職四季報』は企業へのさまざまな調査項目が掲載されていますが、「応募倍率」「選考ポイント」などの就職試験情報のほか、「月平均残業時間」や「有給消化率」など、労働条件に関わるデータもあります。こうしたデータを、手間を惜しまずにチェックしましょう。また、「NA」(ノーアンサー)が多い企業は、情報開示に消極的な企業風土だと推測できます。

 よく注目される数値として「3年後離職率」がありますが、割合が高い場合は、なぜ若手社員が辞めていくのか、理由をさぐってみましょう。「待遇が悪い」「長時間労働が多い」など、“ブラック”な企業である可能性があります。

 もっとも、離職率が高いからといって、“ブラック”だと断定できるわけではありません。そもそも厚生労働省の調査によると、大卒の3年後離職率は30%前後という状態が数十年間続いています。3人に1人が3年以内に、新卒で入社した会社を辞めていると考えると、多いと感じませんか? また、転職市場も活況ですから、働く場を変えてキャリアアップをはかっていくことが当たり前の業界、という可能性もあります。このあたりは、就活の際に業界・企業研究によって明らかにしていきたいところです。

 日経HR発行の『日本の優良企業パーフェクトブック』においても、「人を活かす会社調査ランキング」として、「新入社員入社3年後在籍率ランキング」や「年間総実労働時間ランキング」「年次有給休暇取得率多い順ランキング」などを掲載しています。こちらも参考にしてみてください。

【知っていますか? “就労実態等の情報情供のしくみ”】

 2016年3月から、「若者雇用促進法」による“就労実態等の情報提供の仕組み”がスタートしました。これは、就職活動中の学生が求めた場合、企業に職場情報の提供を法律で義務付ける制度です。学生本人が企業に直接提供を求める場合は、所属や連絡先を明かさなければなりませんが、キャリアセンターやハローワークを通じて問い合わせる場合は、学生個人の情報は明かす必要はありません。
 
 情報提供を求めることができる項目としては、「過去3年間の新卒採用者数・離職者数」「前年度の月平均所定外労働時間の実績」「前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)」などが挙げられます。

 企業側は、必ずしも問い合わせがあった項目を回答する必要がなく、罰則もないため、効果を疑問視する声もあります。ただ、制度ができたこと自体は前進ですし、スタートしたばかりですから、今後の動向が注目されます。

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