学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【11】「中堅・中小企業が求める学生とは?」

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学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【11】「中堅・中小企業が求める学生とは?」

 学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方の第11回。今回は、中堅・中小企業はどんな学生を求めているかというテーマについて探ります。
(文/中小企業交流クラブ幹事・作家 三浦紀夫 ※プロフィルはページ下部)

「魅力のない学生ばかり……」と感じている社長がいる

 ある広告代理店の社長さんが、採用選考に応募してくる学生について、こんな印象を漏らしていました。

 「選考において、グループ討論をさせてその結果をまとめてもらうと、どのグループも結論が同じなんですよ。まったく、つまらない連中ばかりですね……」

 この社長さんは、30歳代のときに会社を立ち上げたオーナー社長です。50歳代になった今でも、社員たちの先頭に立って営業に出向いています。パワフルな仕事をしてきた彼の目から見ると、当たり障りのないことばかりを述べる学生たちには、魅力を感じないようです。

 中堅・中小企業のオーナー社長には、この社長さんのような人がたくさんいます。聞かれたことにそつなく答える、いわゆる“優等生的”な学生は採用することが難しいというわけです。

 この点は、大企業とは違います。大企業が求める人材は、どちらかといえばバランスの取れた優等生的な人材です。これに対して中堅・中小企業は、野性的というか、鼻っ柱が強いタイプの人材を求める傾向が顕著です。

猫をかぶっていると逆効果になる可能性も

 私がある大学で「優良中堅・中小企業」に関する講演をしたとき、最後に質問の時間を設けました。

 ところが、学生たちに「質問があったらどうぞ」と呼びかけても、誰一人質問をしてきません。そこで講演終了後、キャリアセンターの職員の方に「あんなにおとなしいのでは、企業も採用したがらないのではないでしょうか」と苦言を呈しました。するとその職員も、「面接のときにはこちらからも質問をしなさいと指導しているのですが、へたに質問をすると企業に嫌われるのではないかと恐れているようです」と言いました。

 企業に好印象を与えようとして、聞きたいことも聞かず猫をかぶっていませんか。中堅・中小企業の面接では、猫をかぶっていると逆効果になる可能性が高くなります。

聞きたいことをずばりと聞き、本音で語ってみたら?

 私は学生のみなさんに、「中堅・中小企業では決算書を公開していないところが多いから、『決算書を見せてください』と聞いてみればいい」とアドバイスをしています。

 これに対して「そんなことを聞いてもいいの?」と不安に感じるかもしれません。そこで前出の広告代理店の社長さんに、「もし学生から決算書を見せてほしいと求められたらどうしますか」と聞いてみました。

 すると「うーん」と考え、「学生に求められたら見せますね」と答えてくれました。これが実態なのです。中堅・中小企業のオーナー社長の大半は、物事をずばりと聞き、本音で意見を言うような芯の強い学生を求めています。

 面接で失敗しているみなさんの中には、「そうだったのか」と目からウロコが落ちた人もいるのではないでしょうか。中堅・中小企業の採用選考を受ける際の参考にしてください。


[プロフィル]
三浦紀夫(みうら・のりお)
1952年2月、青森市生まれ。作家。明治大学政経学部卒。学生時代から編集制作会社の株式会社コアで仕事をし、卒業後同社に入社。1990年、同社代表取締役に就任。2002年、倒産。2003年、『倒産社長の告白』(草思社)を発表して著作活動を開始。他の著書に『倒産社長、復活列伝』(草思社)、『こうなったら会社はたたみなさい』(東洋経済新報社)等。2012年1月、『就活が変わる!優良中堅企業の見つけ方』(PHP研究所)を発表。新聞、雑誌の連載や講演でも活躍中。中小企業交流クラブ幹事。

【バックナンバー】

【1】はじめに……
【2】業界をよく知っている人に話を聞こう!
【3】中堅・中小企業の“安定性”を見定めるには
【4】就職情報サイトで志望企業を絞るには
【5】説明会では社長との相性を探ろう
【6】企業の成長性を見定めよう!
【7】応募した企業の社長が高齢だったら……
【8】第三者から表彰される企業を見つけよう
【9】志望企業は情報公開に積極的か
【10】中堅・中小の採用は、これからが本番

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