学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【26】「経営感覚が身に付き、起業の勉強にもなる」

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学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【26】「経営感覚が身に付き、起業の勉強にもなる」

 学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方の第26回。今回は、中堅・中小企業で働くメリットについて考えてみます。
(文/中小企業交流クラブ幹事・作家 三浦紀夫 ※プロフィルはページ下部)

経営者と近い距離で仕事ができる

 大企業で働くとどんなメリットがあるでしょうか。みなさんが考えるのは、安定性だとか、収入の高さだとか、福利厚生の豊かさなどでしょう。では、中堅・中小企業で働くことのメリットは、なんでしょうか。

 私は、経営者と近い距離にいて仕事ができることがメリットの一つではないかと考えています。従業員が1000人以上もいる大企業では、社長と会話を交わす機会もほとんどないというのが現実でしょう。でも、従業員数が数十人とか100人、200人といった規模の企業なら、社長と直接話したりいっしょに仕事をしたりすることができます。

 中堅・中小企業のオーナー経営者は、仕事や経営に対して一家言を持っています。哲学を持っているといってもいいかもしれません。そんな人と近い距離で仕事をすると経営感覚が培われますから、とても勉強になるはずです。

 私自身も、大学を卒業して入社した会社の社長と毎日のように話していました。この経験が確実に経営感覚を高めてくれたと思っています。

幹部社員になりやすい

 大企業に入社する人の中には、出世志向を持った人がたくさんいます。競争相手も多く、簡単には幹部社員にはなれません。一定の年齢になると出世競争から脱落したり、子会社に出向を命じられたりする人が出てきます。

 これに対して中堅・中小企業には、出世意欲の強い人はあまり多くないように見受けられます。ですから、新卒で入社し頑張って仕事をしていれば幹部社員になる道も開けやすいといえるでしょう。

 鶏口牛後という故事成語があります。私の友人たちを見ていても、中堅・中小企業で仕事をしてきた人たちは、会社の役員になったり社長になったりして今も第一線で仕事をしています。仮に彼らが大企業に入社していたら、窓際に追いやられたりリストラの対象になったりしていたかもしれません。

 出世するばかりが人生ではありませんが、企業で仕事をする以上、幹部社員となって組織を動かせるというのは大きな喜びです。

起業したい人には最高の環境

 みなさんの中には、将来、起業をしたいという希望を持っている人もいるでしょう。その場合は、起業したい業種かそれに近い業種の中堅・中小企業に入社することをお勧めします。

 起業のための勉強は、机上の勉強やセミナーなどではなかなか身に付きません。自ら起業するというのは、大海を泳ぐような仕事です。嵐の日もあれば台風に直撃されることもあります。机上の勉強やセミナーは、そんな海を泳ぐための練習をプールでやるようなものですからたかが知れています。

 起業をしようと思うのなら、中堅・中小企業に入社して身をもって様々な体験を積むのが王道ではないかと思います。身をもって起業のための勉強ができるという点も、中堅・中小企業で仕事をするメリットの一つでしょう。


[プロフィル]
三浦紀夫(みうら・のりお)
1952年2月、青森市生まれ。作家。明治大学政経学部卒。学生時代から編集制作会社の株式会社コアで仕事をし、卒業後同社に入社。1990年、同社代表取締役に就任。2002年、倒産。2003年、『倒産社長の告白』(草思社)を発表して著作活動を開始。他の著書に『倒産社長、復活列伝』(草思社)、『こうなったら会社はたたみなさい』(東洋経済新報社)等。2012年1月、『就活が変わる!優良中堅企業の見つけ方』(PHP研究所)を発表。新聞、雑誌の連載や講演でも活躍中。中小企業交流クラブ幹事。

【バックナンバー】

【1】はじめに……
【2】業界をよく知っている人に話を聞こう!
【3】中堅・中小企業の“安定性”を見定めるには
【4】就職情報サイトで志望企業を絞るには
【5】説明会では社長との相性を探ろう
【6】企業の成長性を見定めよう!
【7】応募した企業の社長が高齢だったら……
【8】第三者から表彰される企業を見つけよう
【9】志望企業は情報公開に積極的か
【10】中堅・中小の採用は、これからが本番
【11】中堅・中小企業が求める学生とは?
【12】内定が得られないまま年を越しそうなあなたへ
【13】中堅・中小企業には魅力がいっぱい
【14】スタッフや職場に好感が持てる会社を選べ
【15】入社3年後の離職率をどう考えるべきか

【16】ダメな経営者を見分ける方法
【17】経営革新計画を承認された企業に目をつけよう
【18】どんな経営ビジョンを描いているか
【19】B to B企業がねらい目だ
【20】灯台下暗し。キャリアセンターを使おう
【21】「業績がいい企業=優良企業」とは言い切れない
【22】中小企業に絞った就職情報サイトを活用しよう
【23】年齢のハンディを感じたら中堅・中小企業を狙え
【24】若手を育てる企業は社員の定着率が高い
【25】知名度や規模に惑わされず幅広く企業を選ぼう

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