学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【9】「志望企業は情報公開に積極的か」

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学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方【9】「志望企業は情報公開に積極的か」

 学生が知らない「優良中堅・中小企業」の探し方の第9回。今回は、志望企業がどのくらい情報公開をしているかという問題について考えてみましょう。
(文/中小企業交流クラブ幹事・作家 三浦紀夫 ※プロフィルはページ下部)

なぜ情報を隠さなければならないの?

 未上場の中堅・中小企業の場合、ほとんどの会社は世間に決算書を公開していません。会社法では、株式会社は決算書の一部である貸借対照表を公告(一般に告知すること)しなければならないことになっているのに、公開していないのが現実です。すべての株式会社が会社法の通りに公告してくれたら、大いに就活の参考になると思うのですが……。

 『就職四季報』(東洋経済新報社)には、3年後離職率や平均年収といった学生が知りたい情報を掲載している欄があります。この欄にも情報を提供していない企業がたくさんあります。

 決算書にせよ、3年後離職率や平均年収にせよ、なぜ企業はこれらの情報を公開しないのでしょうか。背景には同業他社に手の内を見せたくないという意識や、みっともなくて公開できないといった事情があるのでしょう。

従業員に決算書や就業規則を公開しているか

 私は、これらの情報を隠す企業の中に、優良と呼べる企業があるのだろうかと疑いたくなります。例えば、従業員に決算書を公開しない企業は、あまりにも業績や財務内容が悪いか、経営者が会社を私物化しているかのどちらかではないでしょうか。このどちらだったとしても、優良企業とはいえません。

 決算書とともに公開しているかどうかを見定めたいのは、就業規則です。企業で働く人たちには、働く上での最低限のルールが必要です。就業規則というのは、そのルールのことです。

 労働基準法では、常時10人以上を雇用する使用者は就業規則を作成して、書面による交付をしたり、常時見やすいところに掲示したりするなどして、労働者に周知徹底しなければならないとされています。ただし、法律で定められてはいても、すべての会社がオープンにしているわけではありません。

本当に優良なら堂々と公開できる

 情報を公開している企業かどうかを判断するには、採用担当者との面談のときにじかに聞くことをお勧めします。「決算書や就業規則を従業員に公開していますか?」などと聞いて、オープンにしているようなら優良企業である可能性が高いと思います。

 本当に優良な企業なら、企業の情報を隠しだてする必要はありません。いわゆるブラック企業に入社しないためにも、自ら質問をして情報公開の度合いを確かめたいものです。


[プロフィル]
三浦紀夫(みうら・のりお)
1952年2月、青森市生まれ。作家。明治大学政経学部卒。学生時代から編集制作会社の株式会社コアで仕事をし、卒業後同社に入社。1990年、同社代表取締役に就任。2002年、倒産。2003年、『倒産社長の告白』(草思社)を発表して著作活動を開始。他の著書に『倒産社長、復活列伝』(草思社)、『こうなったら会社はたたみなさい』(東洋経済新報社)等。2012年1月、『就活が変わる!優良中堅企業の見つけ方』(PHP研究所)を発表。新聞、雑誌の連載や講演でも活躍中。中小企業交流クラブ幹事。

【バックナンバー】

【1】はじめに……
【2】業界をよく知っている人に話を聞こう!
【3】中堅・中小企業の“安定性”を見定めるには
【4】就職情報サイトで志望企業を絞るには
【5】説明会では社長との相性を探ろう
【6】企業の成長性を見定めよう!
【7】応募した企業の社長が高齢だったら……
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